2011年の7月から少年画報社の月刊少年キングアワーズで1年間連載しておりました「かみわたし ~神様の箸渡し~」が完結し、単行本が発売されております。 2巻が発売されたのが10月30日、ようやく色々区切りがついた感があります。
読んでいただいた方々の感想も概ね好評のようでホッとしております、まじめに作品に取り組みましたので是非手にとって読んでみてくださいね。
さて、二巻の終わりまで読んで頂きますと「あれ、ちょっとわかりにくいな」と思える設定もあったことでしょう。 特に結界の内側から出てくるところ。 何故出ることが出来たのかその理屈が多少説明不足といいますか描かれておりません。
実は色々考えてたんですが、複雑かつ冗長だということで話と時間がスムーズに流れることを優先させて色々端折っております。 それを細々作中やら単行本で説明するのもみっともないことですので編集さんともご相談させていただき、雑誌及び単行本のような形での発表となったわけです。
とは言え、ここまで見に来てくださっている方はかなりマニアックな方でしょうから考えていたものの作中で明かさなかった設定の一部でも披露させていただこうかと思います。
①没案(宮坂健の要因大パターン)
諏訪を中心に信州中部地方&関東には神氏(みわし)と呼ばれる諏訪の神様の末裔である方々が多数住んでおられます。 どれだけ多数かというと名字の数だけで20~30はあり、多分諏訪湖を中心とした界隈に住んでいる方々は多かれ少なかれそういう一族の末裔だと思っても間違いじゃないんじゃないかなと思えるほどです(笑) ですから先祖返りとして結界を操る能力を主役の男の子が持っていても良いんじゃないかなとも思っておりました。 閉じ込められている”真の理由”なんかも中二的に他にも作ったりしてましたが。 でもそれ、ご都合良すぎてちょっと覚めるかなーと思って基本的にボツにしてあります。
②テルヒメの変化?
誰がどういう立場でどの場所にいるのか? この結果認識によって存在する位置付け自体が変わります。 人は物質に縛られていますがテルヒメは違う。 基本的にはこの要素の変化が起こったことによって結界が意味をなくした方向で考えていただければ問題ないと思います。 ちょっと想像してみて下さい<(_ _)>
③イナバの肩代わり?
先代が居たということで色々あったんだろうなとw
僕は色々想像する余地があったほうが完結した作品でも好きですので、このような形を取らせていただきました。 ただ唯一”矛盾するけど、まいっか!”で描いちゃった部分があります。 それが単行本2巻の帯の部分。 江戸時代に”ウサギの彫り物”が本殿に出来て以降「ウサミミが自然に生えてきた」と描きましたが、あのテルヒメは江戸時代には意識連続体として存在してない設定です。 最終巻だから、ちょっと遊んでしまいました。
では、また次回作でお会いしましょう!