拙作、「かみわたし」以前より、長野県諏訪地方に縁あってお伺いするようになってから、普段からその御縁を感ずるべく身に付けるアイテムなどがほしいなあと思っておりまして。 御札やお守りはなにげにカバンやら財布に忍ばせているのですが。 普段身につけられるようなシルバーアクセが欲しいと思ったのが数年前。 事あるごとに作れそうなところに話をしたりしていたのですが、この度ついにその第一弾が出来上がって参りました。 御覧ください!
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普段使い!?(笑)
その存在感と迫力に、普段使い用という当初目的はすでに「どうよ?」という気がしないでもないですが。 本気度レベルの高さには笑うしかありません。 明らかにおしゃれ着です。
魔術結社の集会や、サバトにもってこいのおしゃれ着用マジックアイテム。
制作担当の魔導工房さん http://ms.kadaru.info/ に 「名称どうシます?」と聞かれましたので”祝の銀蛇輪”と命名しました。 以下にデザイン案と解説・由来などを紹介していきますのでよかったら見てやってください。
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デザイン案です。 他にももっとあっさりしたものがあったのですが、今年は蛇年だということもあり職人さんが乗り気になられたということで、一番大変そうな鱗をまとった蛇デザインになりました。 関西在住の職人さんですが、諏訪地方で神職につかれていたご先祖がおられるとかで「マジかいな!?」と驚いております。
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ーーーーー解説(名称由来等)ーーーーー
祝(ほおり)とは、神々に祝福された者のことであり。 広く神職も意味しております。 特に諏訪地方では、明治に至るまで諏訪大社の祭神・建御名方命の末裔といわれる諏訪氏が神職と支配階級を世襲し、建御名方命そのモノが現世に顕れた現人神たる神職=”大祝(オオホオリ)”を務めていました。 日本という国号が使われてから千数百年。 数度の戦乱を経て、各地で支配者層が入れ替わってきた歴史の中で、明治時代までその土地に根付いて実効支配力を有しつつ命脈を保ちつづけたのは諏訪神氏と現天皇家くらいではないでしょうか?(いろいろご意見あるかとは思います)。 さて、上述の大祝以外にも諏訪には代々世襲されてきた神職=五官祝が存在していました。 その中に、早苗さんのような”風祝”の神職はありませんが、古い文献には”風祝”の名称を見ることが出来ることから、他の神職(大祝)と兼任されていたのではないかと言われております。 風神録の設定と同じような神々の二重構造が、モデルとなった諏訪の神話にも存在しており。 京都の朝廷から見た日本神話における諏訪大社の主神=建御名方命と、縄文期より延々と諏訪に受け継がれてきた自然信仰の象徴たる神が習合し息づいているのがこの地方の魅力ともいえるでしょう。 この指輪には、東方Projectの守矢一家と共に、モデルとなった聖地=諏訪の神々を同時に象徴し、古来より神意を表す象徴として用いられた意匠を意味あるカタチで盛り込んでみました。 更に上述しましたが、作ってくださった職人さんは実家の血筋をたどると諏訪の神官に繋がっておられるとか、偶然にしても洒落になってません(笑) そんな訳でマジモンの護符としてもお勧めいたします。
ーーーーー解説(モチーフ・素材等)ーーーーー
素材:銀=魔を打ち払う力があるとされ、こういうアイテムには必須の素材ですw ここのところ金とともに、すんごく値上がりしました(ノД`)
表面:蛇=古来より龍と同一視されますが、地を這う姿はより土地に根付いた信仰と自然を司る神の象徴として扱われるとともに、自然から人に与えられた恩恵(知恵・生殖能力)の象徴とも言われます。 諏訪の主神は蛇神と言われており、東方風神録の主要キャラ=八坂神奈子を象徴しています。
指輪中央五芒星:五芒星は洋の東西を問わず”魔除け””敵を打ち払う力の象徴”として使われてきた紋様です。 早苗さんの弾幕でも大活躍w
指輪中央の石:糸魚川の翡翠です。 この翡翠は古代から神意や王権の象徴として用いられており。 そういった意味でも、この指輪にふさわしい・・・月並みな言い方ですがパワーストーンといえるでしょう。 何と言っても「厭い川の翡翠」ですから東方Projectという作品とも結縁していると言えますね(笑) 魔導工房のスタッフさんが2月の出張の折に手に入れてきた新鮮な産地直送品であります。 糸魚川の翡翠の女神=沼河比売命(ぬなかわひめ)は、諏訪の主神・建御名方命のお母さん。 つまり考え様によっては神奈子のお母さんですw そして源符「厭い川の翡翠」を使うのは諏訪子。 ・・・深いですね。 縄文期から古墳時代にかけて日本では翡翠を使った勾玉などの装飾品が使われ、近畿や出雲地方などで多く出土していました。 ところが翡翠がどこで産出されたのか伝承が失われてしまっており、朝鮮半島や大陸でも同質の勾玉が発掘されていたことから、長く大陸から伝来した”玉”の文化だと思われていました。 昭和13年に、古事記の神話や文献資料から産地を推測した大学教授の依頼で調査をした結果、再発見されたという、ロマンあふれる宝石です。
裏面:蛙(ZUN帽)=蛇に追われ食われる蛙・・・生命の流転と陰陽を蛇とともに象徴します。 蛇に食われようとも捕食者の蛇よりも地に溢れ、人々が目にする機会の多い蛙は、(子宝と子孫繁栄)を示す自然信仰の象徴でもあります。 言わずと知れた諏訪子の中の人(中の人などいない)。
普通に装着している場合は、ちょっと装飾的な意匠の凝った指輪・・・しかしてその実態は!
ギルドやら秘密結社のメンバーのごとく、手のひらを向けて洩矢諏訪子様への信仰を密かに確認しあうためにもお勧めです。 尚、多くの方に「怖い!&なにこれ?」と大好評の背景は、京都の壬生あたりを探索すると発見出来ますので、新撰組ゆかりの地に行く機会などございましたら探してみてくださいw
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で、最後になりますが。 諏訪地方で採れる宝石などないものだろうかと検索しましたら、ありました。 それが和田峠の柘榴石(ガーネット)です。 現在では採掘が禁止されているため、行く度に「欲しいなあ、どっかで売ってないかなあ」とか言っていたのですが、採掘禁止前に所有されていた方からあっさり譲っていただくことが出来まして。 それを指輪に装着して戴きました。 それがコレ↓です。
諏訪は、3つの大陸プレートが交錯する場所であり、周辺にはその地球規模の活動によって過去に噴火をした火山が多数存在しています。 和田峠の柘榴石は御射山祭が行われていた霧ヶ峰の太古の火山活動によって生じた鉱石で、一般的な柘榴石のイメージ色=赤とは違い、黒々としています。 結晶面の反射度合いが高くて綺麗だったのでそちらは研磨せずに野趣的な趣を優先しました。
まさかこんなに禍々しい雰囲気を醸しだすとは(笑)
多分コレを使えば、平成仮面ライダーのどれかに変身できるんではないかと・・・
ちなみに、翡翠より加工が難しくてウン万円余分にかかってしまいます。 ひょえーーーー!
実物は、今週末5月26日に開催される東方例大祭10の スペースNo:に-37a 魔導工房さんで展示されておりますので、興味ある方は是非見に行ってください。 ちなみに翡翠verで単価一個5万円ほどかかってしまうそうです。 高価だとは思うんですが、他では見ない逸品ですので、お気に召しましたら是非!